「いなか、の、じけん」と「田舎の事件」
去年の那覇市えきまえ一箱古本市にて夢野久作「ドグラ・マグラ」を売っていたのですが、興味ありそうなオジサンが
「夢野久作の『猟奇歌』ってないの?」
と聞いてきました。
正直、夢野さんは「ドグラ~」と「少女地獄」しか読んでないので
「いや、ないし知らないっすね~」
と答えたらそのオジサンは
「(ふっ、知らないのか)読んだ方がいいよ~」
と言ってドヤ顔で立ち去っていきました。
()は俺の想像。
気になったので古本市が終わった帰宅して「猟奇歌」をググってみる。
「お、おぉぅ...」
となりました。
俺のまだ残ってる中2心を突っついてきやがる!
「うわ、読んでみてぇ!」
と思って図書館をチェック。
県立図書館にあると知って、その「猟奇歌」が全首入ってる夢野さんの作品集を貸りてきましたよ。
グっとキたのをいくつか紹介するぜ。
(↓)
リアル中2の時に出会わなくてよかった...。
絶対こじらせてた。
ドヤ顔はムカついたけど教えてくれたオッサンには感謝。
ところで「ドグラ・マグラ」と「少女地獄」は南城市の古本市で女子高校生or女子大生風の女の子が買っていきました。
いろいろとドキドキしました。
と、「猟奇歌」以外にも夢野久作作品を読んでいくと
「いなか、の、じけん」
というのを見つけた。
(右)
田舎で起きる奇妙な事件を紹介する奇妙な味の短編。
ちょっと民話調なのが印象深かった。
でもどっかで読んだようなデジャヴを感じたんだけど...。
なんて考えていたら10年以上前にこんな本読んでいました。
倉坂鬼一郎「田舎の事件」
小禄南図書館にありました。
タイトルはおそらく「いなか、の、じけん」をパロったもんに違いない。
作者の倉坂さんは2017年現在はメインは時代小説家として活動中だが、2000年前後の頃はホラー仕立てのミステリーorミステリー仕立てのホラー小説を書いていた。
テイストは違うが三津田信三さんに近いものがあったかも。
で、これはガラッと作風を変えて現代の笑い咄というかコメディというか、田舎特有の空気感から滲み出るペーソスを拡張して笑えるお話にしている。
理由があって結果があり、それが犯罪だったりする。
探偵はいないけどたしかにミステリーなところはある。
個人的にはロクな修行もしてないのに蕎麦を極めようとして素人がやる水蕎麦という間違った方向に進んでしまい、それが原因で起きる悲劇(喜劇?)の短編が好きです。
どっちもおススメ!
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