竹岡翼の読書日記

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てぃーだブログ › 竹岡翼の読書日記 › 2021年05月11日

Reading Diary




以前やってたブログで文庫版「ゴルゴ13」の巻末で解説をしていた杉森昌武という方のゴルゴ愛...いや、ゴルゴ原理主義者と言うべき文章を面白がっていたのだが、ここで改めて紹介いたします。

俺は解説を読みたいがために文庫版「ゴルゴ13」を読んでいるのかもしれない。
全文紹介するぜ!
は自分の脚注です。

怒られたら消すぜ!
でも、読もうぜ「ゴルゴ13」!←と言っておけばOKな気がして...。
(ここまでコピペ)
2021/02/18
杉森昌武を読め!(文庫本「ゴルゴ13」解説)㊻
ティーダブログ的にNGワード入ってたみたいで載せられないみたいです。別ブログに転載するので今しばらくお待ちください。2021/01/24杉森昌武を読め!(文庫本「ゴルゴ13」解説)㊺以前やってたブログで文庫版「ゴルゴ13」の巻末で解説をしていた杉森昌武という方のゴルゴ愛...いや、ゴルゴ原理主義者と言うべき…





第47巻 解説
杉森 昌武

ゴルゴは、ディベートの天才ではないだろうか。ご存じのように、ディベートにおいて重要なのは、多弁である事ではない。相手の論理の矛盾や弱点を的確に捉え、たった一言であっても有効な反撃を加える事である。多弁はむしろ、矛盾や弱点というボロを出す可能性がある。「寸鉄人を刺す」という言葉があるが、ゴルゴがたまに発する短い言葉には、まさに寸鉄のような重みと切れ味がある。
『穀物戦争 蟷螂の斧 汚れた金』における、依頼人の藤堂伍一とのやりとりなどはまさにそれで、藤堂の意気込んだ一言に対して、商売の哲学を引き合いに出してたしなめたのは見事というしかない。それに感心してみせた藤堂に対して、今度は「ムダ口はいい!」である。くれぐれもゴルゴとは、言葉の上でも争ってはいけないのである。
『ズドロナス・マリヨ』では、ゴルゴの複製品を作った理由を説明する依頼人の前で、ゴルゴはその複製品を事もなげに消去してしまう。「問答無用」というわけだ。
『サタデーナイト・スペシャル』では、チンピラの理屈を見事に逆手にとって、ゴルゴは彼らを殺す正当性を確立している。「おまえのいっていた正当防衛」「おまえは、間違ってはいなかった」と、言われつつ殺されたのでは、チンピラには、どんな反論のしようもない。
『崩壊 第四帝国 狼の巣』では、ナチスの恨みをゴルゴに分かって欲しい依頼人に対して、「……恨みつらみをいうために、俺を呼んだのか……?」と、まことにきつい一言。ナチスによるユダヤ人の大量虐殺に対しては、通常誰もが同情をもってうなずかざるを得ないものなのだが、そうした世界の常識もゴルゴにはまったく通じない、それはゴルゴに人の情がないからではなく、今この場において必要な事は何かを常に冷静に見据えているからに他ならない。
いかに熱弁を振るったところでディベートに勝つことはできない。もちろんゴルゴはディベートをしているなどという意識はないのだが、巧まずして、どんな熱弁や雄弁にも優る一言を放つゴルゴは、やはり天才と言うしかないだろう。


【第179話/ズドロナス・マリヨ】
ゴルゴが神父服姿で登場するのにまずびっくりである。依頼人であるフリーメーソンが、こんな時のために5年もかけてゴルゴのコピーを作っていたというもの驚きだし、そのコピーであるラチュルク神父をいきなり射殺してしまう場面もかなり衝撃的である。
「今後、二度と俺の複製品を創ったら……製造者も必ず……抹殺する……!! たとえ、それがどんな“理由”であろうとも……だ!」と、ゴルゴはかなりご立腹だが、それでも依頼だけは引き受けている。
ところでフリーメーソンと言えば、ユダヤの秘密結社という事で、世界征服をたくらむ恐ろしい組織であるかのように解説される事も多い。実態は謎に包まれているが、ユダヤの組織である以上、キリスト教とは、二千年来の仇敵のはずである。
キリスト教は元来、ユダヤ教から派生した教団であり、同一の神を崇めている事をはじめ、教義のかなりの部分を共有してもいる。しかし、これは宗教に限らず、過激派の内ゲバなどにもよく見られるように、似ている者同士ほど、敵対した場合の憎しみは激しい。いわゆる近親憎悪というものだが、古代ローマ帝国において共に弾圧されることの多かったキリスト教徒とユダヤ教徒とは、助け合うなどという事はせず、互いに当局に告発を繰り返しては、相手に対する処罰を求めて、泥仕合を演じてきた。
その関係は、世界的規模や歴史の長さから言えば、忠臣蔵の浅野と吉良、幕末の薩摩と長州、あるいは薩摩と会津といった仇敵関係など及びもつかないほどに、巨大かつ深刻なものである。
しかし、そんな仇どうしでも、共通の敵に対しては力を合わせることがあり得る。冷戦時代には、東方陣営に対して、ユダヤ教徒とキリスト教徒とはしばしば手を結んだし、現在では、イスラム諸国を共通の敵として手を組んでいる感がある。
フリーメーソンがローマ法王を守るためにゴルゴに依頼するというこの作品は、複雑怪奇な歴史と国際情勢を教えてくれる含蓄ふかい秀作と言えるだろう。


【第180話/穀物戦争 蟷螂の斧 汚れた金】
この作品をめぐって起こった「ゴルゴ論争」について、『THEゴルゴ学』(小学館)の中で、竹熊健太郎氏が紹介している。
当時読者から絶賛されたこの作品に対して、漫画評論家で思想家でもある呉智英氏が、ゴルゴの登場する必然性がない事を構造上の致命的欠陥として批判したため、以後四か月にわたって、呉氏とゴルゴファンとの間で大論争が展開されたのであった。
呉氏は、藤堂のキャラクターや金が核汚染されたと誤認させるアイデアなどを秀逸として評価しながらも、ゴルゴに列車や爆薬を狙撃させなくても、リモコンを使うなど他に方法はあったはずであるとして批判したのである。
竹熊氏はこれについて「ミもフタもないとはいえ確かにこれは正論だ」と述べているが、本当に正論なのだろうか。
二十年以上も前の論争をここで蒸し返すつもりはないが、ひとつだけ言わせてもらうなら、ゴルゴの依頼人にとって大切なのは、他に可能性があるかどうかという事ではなく、確実に、しかも何の証拠も残さず、百パーセントの信頼感を持って事を成就させるという事なのである。
この事を無視して、他にやり方があるからとて、ゴルゴの登場する必然性がない、などと言ってしまえば、多くの作品がそれに当てはまってしまうだろう。まさに「ミもフタもない」事になってしまうが、そんな事で切り捨てられるほど、ゴルゴの存在は軽くないし、シリーズのすべての作品が持つ含蓄は浅くない。
前作において、ゴルゴの放った一弾によって人生を狂わされた藤堂伍一が、今度はゴルゴの一弾によってリベンジを果たした。ゴルゴは当然、藤堂が、カーギル社から依頼された仕事によって一度は破滅させられた相手だという事を知っていただろう。しかし、そんな事はゴルゴにとってはまったく関係ない。依頼に対しては、敵とか味方とか、その他のしがらみは一切考慮しない、それが彼のビジネス哲学なのである。
藤堂は後に、ゴルゴとの皮肉な巡り合わせに気づくが、彼もまた、ゴルゴのビジネス哲学をよく理解できたはずである。後に藤堂は、シリーズにもう一度登場してくる(増刊39話『G資金異聞―潮流激る南沙―』)が、そこでゴルゴは、独特のビジネス感覚をもって藤堂に対している。
なお、ここに登場するデビアス社は実在の会社であるが、第199話『死闘ダイヤ・カット・ダイヤ』に登場するアングロ=デ・ロアズ社は、このデビアス社をモデルとしたものである。
二十年以上前に呉氏と論争したゴルゴファンって…杉森さんじゃないのか?)


【第182話/サタデーナイト・スペシャル】
ゴルゴから名言が飛び出す。「おまえのいっていた……正当防衛だ……」「いや……おまえは、間違ってはいなかった……“証人”は消せ……殺人者の“鉄則”だ……」。
今回のゴルゴは、彼にしてはやや饒舌である。
セリフとしては描かれていないが、騒動の後に会った依頼人の話から推測すると、チンピラのケンカがあった事、自分が三時間も前に下見に来ていた事、チンピラが自分を目撃者として始末しようとした事、そして、そのチンピラを当然のように射殺した事、等々を、ゴルゴは依頼人に話した事になる。
これはいったいどうした訳だろう。ゴルゴ、しゃべり過ぎである。特にチンピラを殺した事までしゃべったのだとしたら、相手がいくら相手が殺しの依頼をしに来た人間だとしても、ちょっと警戒心が足りないのではなかろうか。
その事を気にしてかどうかは分からないが、調子に乗ってしゃべりまくる依頼人に「ムダ口はもういい!」「……俺とムダ口を叩くために会見を申し込んだのか?」と、むげに突き放すゴルゴ。
こんな奴に余計な事をしゃべるんじゃなかったと、少しは反省していたのかもしれない。



【第183話/崩壊 第四帝国 狼の巣】
ゴルゴvsネオナチの死闘はついに最終段階を迎えた。
要塞というべき敵の本拠地に乗り込むに当たって、映画のセットに偽装した巨大セットを作るあたり、第20話『最後の間諜―虫―』を思い出す人も多いのではないだろうか。任務遂行のためには経費を惜しまない、超一流の仕事人の面目躍如である。
セットでのゴルゴの特訓や要塞突入後の手に汗握る攻防など、スリリングな展開の連続だが、その割りに最後は、総統と呼ばれる謎の人物が心臓発作で死ぬという意外にあっけない幕切れであった。
ネオナチ組織の総統を務めていたのは、マルティン・ボルマンであった。ボルマンは第一次世界大戦に従軍し、戦後テロ活動を行って殺人罪に問われ一年間投獄されたが、釈放されてナチスに入党、主に財政活動面で活躍して次第に頭角を現していった。
ヒトラーが政権を掌握すると、副総裁ルドルフ・ヘス(第205話『裏切りのスワスチカ』に登場)の補佐官となり、ヘスの失踪後は無任所大臣(副総統)と党書記長に就任し、権勢をふるった。
彼の有能さは誰しも認めるところだったが、ヒトラーやヘスに媚びへつらう一方で、部下には冷酷だったため、幹部からも毛嫌いされたと言われている。
ヒトラーは遺言でボルマンを遺言執行人と次期ナチス党首に指名したが、ヒトラーの自殺した翌日(1945年5月1日)、逃亡を図って行方不明となった。
ボルマンは、逃亡を試みた日にベルリンのヴァイデンダム橋でソ連軍によって殺されたとされる一方で、南米に逃亡したとする生存説も根強くささやかれてきた。
また、ボルマンは大戦中にナチスの敗北を予知し、後日の再起を図るためにナチスの資金を秘かに南米等に分散して秘匿したとも言われ、これが南米にネオナチ組織が生まれた理由という見方もある。
ボルマンにはいろいろと謎が多いのだが、1972年にヴァイデンダム橋で見つかった二体の骨格のひとつが、ボルマンのものではないかとされ、1988年に至り、家族の要請によってDNA鑑定が行われ、ボルマンのものと断定されている。
したがって、公式的には、ボルマンは1945年5月1日に死亡したという事になっている。
ゴルゴとネオナチとの死闘はこれで終わったが、ナチスとのしがらみというか葛藤は、直接的ではないにせよ、この後もまだまだつづいていくのである。


MUSICその他

深夜のCD整理



昨夜買ったマイルスのCDを、専用に備えているマイルスCD棚のどこに入れようか、迷いつつもついでに棚を整理。
2021/05/10
買っちゃった!
・ウルトラセブン落語・MILES DAVIS:E.S.P.観るぜっ!聴くぜっ!





もちろんマイルスを聴きながら。
悩みつつも楽しい。

作家の西村賢太さんが師事している(故人)藤澤清造さんの資料を日記とかでしょっちゅう整理しているが、似たような感じかもしれない。



2019/02/11
読書日記(2/1〜2/9)
・西村賢太「一私小説書きの日乗」「〜憤怒の章」編集者と喧嘩してはすぐ手打ちになったり、バーでイザコザ起こしたり巻き込まれたりという無頼派を地でいくような作家の日記。知り合いとしたらこんなんいたらイヤだろうな。で、こういう人は日記とかまず書かないからこういうのは貴重?・恐怖の詩学ジ…





演芸(落語等)映画・DVD等

ウルトラセブン落語



日付的に昨日購入したDVD。

2021/05/10
買っちゃった!
・ウルトラセブン落語・MILES DAVIS:E.S.P.観るぜっ!聴くぜっ!



ウルトラマン大好き芸人(落語家)の柳家喬太郎さん、柳家喬之助、紙切りの林家二楽さんによるウルトラセブン演芸。

落語が面白いのは当たり前だとして、紙切り芸がDVDで観れるのが意外とレア。


さらにボーナス映像には中入り前のトークにモロボシ・ダンを演じた森次浩司さんが登場。
一番盛り上がってない?


個人的には前回の「ウルトラマン落語」より面白かった。
2017/12/05
ウルトラマン落語
こないだ買った落語DVD。落語界きってのウルトラマン好きである柳家喬太郎さんと弟弟子の柳家喬之助さんが円谷プロダクションの公認を受けて開催された落語会をDVDにしたもの。オープニングやチャプターの画像も凝ってるわ!三席演っていて・柳家喬太郎「抜けカヴァドン」・柳家喬之助…





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